「ひめじ国際短編映画祭」でのトークショーから
【最新作「瞬 またたき」について】
磯村監督が語った、原作を映画化する場合の実務的なノウハウが非常に興味深い内容でした。
映画ではもちろん原作の本質は変えていないのですが、舞台を東京・多摩川から北海道・札幌へ、季節を夏から春先へと変更しています。
東京・多摩川では交通量や人の出入りが多く、ここで撮影するには早朝などの人のいない時間帯を狙わないといけない制約が生じるという判断がありました。同様に、物語の核となる事故現場を、原作の交差点からトンネルに変更したのも、街中で事故の撮影は大変な困難を伴う恐れがあったからでした。北海道であれば使っていない道路もあるのでは・・・との読みどおりに、封鎖されていたトンネルを見つけることができ、そこで撮影を行ったそうです。
季節の変更については、主演のお二人の俳優陣のスケジュールによるところが大きかったそうです。原作には多摩川の花火大会など、印象的な夏のシーンがあるわけですが、夏を待っていては主演のお二人のスケジュールが確保できない。つまり2人をとるか、花火をとるかという判断を迫られ、それならばやはり2人のスケジュールを押さえることができる6月を選択し、そこから逆算して札幌の桜というイメージを抽出していった、と・・・。
「なかなか思う場所・状況で映画は撮れない・・・であれば、現実的にどう消化し、どこで撮るのかは、映画を作るうえでの大きな課題」」と語る磯村監督の言葉は、コンペ部門に参加していた映画作家の方々にも有益なアドバイスとなったことでしょう。
色々と大変なんですね^^;
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